【あなたの資産を膨れ上がらせる成長株の見つけ方】

 成長株を保有する事さえできれば、あなたの資産はみるみる増えてく事でしょう。成長株を見つける事ができれば、もしかすると労働を行わなくも良いという選択肢ができるかもしれません。今回は成長株を見つける為の方法について記事を書いていきます。

 前回の記事で書いた『割安株』の見つけ方と併用して自分なりの手法を編み出してみる事をお勧めします。『割安』かつ『成長』が見込める銘柄を見つける事ができれば人生が間違いなく変わる事でしょう。私は常にこの様な銘柄を探しています。

 この様な割安な成長株を確実に当てる事は、おそらく誰にもできません。しかしその銘柄を引き当てる確率を上げる事が前回と前々回の記事の知識を使えば可能であると私は考えています。

 今回ご紹介する方法はウィリアム・オニールというアメリカを代表する投資家の一人が、1000銘柄以上の大化け株を研究して開発した成長株への投資法で、彼の著書『オニールの成長株発掘法』の内容から抜粋した物となります。

 ■目次

  • 成長株になり易い企業のコンセプトとその具体的な傾向
  • 成長株を見つける為の要素CANSLIMとは
  • C = Current earnings(当期利益が良いか?)
  • A = Annual earnings(通年の利益が良いか?)
  • N = New product or service(新製品・新サービスを出しているか?)
  • S = Supply and demand(その銘柄の需給関係が良いか?)
  • L = Leader or laggard?(その銘柄が相場の先導役か?それとも出遅れか?)
  • I = Institutional sponsorship(機関投資家に好まれているか?)
  • M = Market(一歩さがって相場全体の地合いは良いか?)
  • まとめ

【成長株になり易い企業のコンセプトとその具体的な傾向】

 世界有数の投資家であるオニールの投資戦略は「数ヵ月から2年程度で、数倍~数十倍となる成長株を狙う」というものであり、その独自の投資法は「CAN-SLIM(キャンスリム)」と名付けています。

 今回のこの手法のコンセプトを一言で説明すると下記の様になります。

利益成長と株価上昇の強さが際立っている小型株を狙う』 

 これらのコンセプトに合う企業こそが成長株になる可能性が高い銘柄です。銘柄を選定する為には具体的にどの様にアプローチをしたら良いのでしょうか。成長株の銘柄選定にあたって、考慮すべきの具体的な考え方は下記6項目です。

①業績が変貌するような新製品・新技術、新ビジネスモデル、新経営体制などがある

②経常利益の成長ペースが過去3年間、年率25%以上

③直近の四半期の売上高では前年比25%以上で推移

④時価総額が500億円以下の小型株

⑤株価は市場全体の中で際立って強い銘柄

⑥上場来高値近辺(あるいは年初来高値、昨年来高値)にある

これらの条件を満たす株は成長株である可能性が高いとしています。

 結果として、これらの要項を多く含んでいた業界がGAFAMを筆頭とするハイテク株で、ここ数年でハイテク株のPERは他業界に比べ突出して高くなり、大きく株価を上げました。時代を変え、人々の生活を一新する様な技術は期待が集まりやすく株価が大きく跳ね上がるという事を大きく証明したのではないでしょうか。

例を出すとすれば、最近注目を常に浴びている電気自動車メーカーのテスラ社の株価はこのオニールの成長株発掘になりうる要項に大きくハマった銘柄です。

 ガソリン車が主流となっている市場に対し電気自動車や自動運転の様に業界のあり方を変える技術革新や新しいビジネスモデルの浸透に市場が熱狂し、2020年1月からの約1年間で900%暴騰という上がり方を記録しています。

  実際に売上高は2013年からほぼ毎年25%以上増加、当期純利益は2017年が計上損益ピークを迎え、そこから右肩上がりに損益を減少させていき、2020年12月に当期純利益が黒字化を達成したタイミングで大きく株価暴騰が始まっています。

 

【成長株を見つける為の要素『CANSLIM』とは】
Photo by Nataliya Vaitkevich on Pexels.com

 CAN SLIMとは、成長株への投資の際に注意すべき要素の頭文字を取った造語です。

C = Current earnings(当期利益が良いか?)
A = Annual earnings(通年の利益が良いか?)
N = New product or service(新製品・新サービスを出しているか?)
S = Supply and demand(その銘柄の需給関係が良いか?)
L = Leader or laggard?(その銘柄が相場の先導役か?それとも出遅れか?)
I = Institutional sponsorship(機関投資家に好まれているか?)
M = Market(一歩さがって相場全体の地合いは良いか?)

それでは一つひとつ見ていきます。

【C=当期四半期のEPS(1株当の利益)と売上】

 ◆C=Current earninngs (当期利益が良いか)

成長株に投資する方法の一つは、前年同期比で売上高とEPS(1株当たりの純利益)が25〜50%以上伸びている銘柄を選ぶ事です。

 EPSとは1株あたりの純利益の事です。

 この主張の根拠としては、オニールが分析した1952年〜2001年に大化けした600銘柄の内75%の株が、前年同期EPSに対し直近EPSの上昇率が70%を超えていた事、更に30%の銘柄は90%以上のEPSの上昇が見られたとしています。

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【A=年間の収益(EPS)の増加】

 ◆A=Annual earnings(年間収益が良いか)

 通期で前年に比べ25〜50%以上伸びている銘柄を選ぶ事です。

 年間の通期のEPS(1株当たりの純利益)が増加しているかをみる事で、確実にその企業の事業が成長しているかが分かります。Cで見た四半期EPSの増加が一時的な要因で突発的でないことの裏付けを行う事ができるのです。

 この主張の根拠は調べた1980年〜2000年に全銘柄を調べ、株価が大きく上昇する銘柄の年間EPSの平均上昇率は約36%であったとしています。

 これに加えてROE(自己資本収益率でその企業の経営の上手さを示す指標)が17%以上である事で成長株になりうる可能性が高くなるとしています。

 この様なROEの高いという条件と一緒にEPSが増加している銘柄を選択する事によって、将来のEPSの上昇が高い確率で見込める様になります。

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【N=新興企業、新製品、新経営陣による正しい変革による新高値】

N = New product or service(新製品・新サービスを出しているか?)

 これは成長株の業績が上がる際には、新製品のヒットや、経営陣が変更などの要因がある場合があるとしています。

 この根拠は1880年〜2008年の株価が急上昇した銘柄の95%が製品・サービス・技術革新・経営者の変更等の新しい変化が起こったすぐ後に株価急上昇に転じていたと記されています。例えば、アップルのアイフォンの発表や、マクドナルドのフランチャイズ化がそのタイミングでした。

 新技術や新製品の発表や新社長の就任にはアンテナを張っておく事をお勧めします。もしかしたらそのタイミングが株価の高騰のタイミングになるかもしれません。

【S=株式の需要と供給】

S = Supply and demand(その銘柄の株式の需給関係が良いか?)

 これは、発行済み株式数が多い銘柄は1枚当たりの株の価値が下がる為、株式数は少ない方が株価は成長していきやすい銘柄になります。

 この世界の物の価値は需要と供給で決まっており、当然株も同様です。

 株式の需要は買いと売りの出来高の事を指し、供給は常に保有されていて市場に出回らない株式を除いたいつでも売買できる浮動株式数のことを指します。株の場合はこの様な需要と供給で価格が決定します。

 株式数が多いものに比べ、少ない株の方が、同じ様に需要が増した際の価格の上がり率は大きくなり、反対に発行済み株数が多い銘柄の場合、価格の上がり下りの変動幅が少なくなります。

 ◆自社株買いを行っている会社を狙う

 自社株買いとは企業が発行している株式を、自らの資金を使って市場から買い戻すことです。これは企業側が株の需要を押し上げて、供給を押し下げる方法の事です。

 これにより1株当たりの利益を増やすことができます。

 企業が自社株を買うと、発行済株式数が減る為。会社の利益総額が変わらなければ、1株当たり利益が増えます。1株当たりの利益が増えることを好感して、株価水準が高くなることが期待され株価が上昇を引き起こします。

 

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【L=主導銘柄かどうか(停滞銘柄は避ける)】
Photo by Lukas on Pexels.com

L = Leader or laggard?(その銘柄が相場の先導役か?それとも出遅れか?)

 これは主導銘柄の上位1位から3位を狙う事が良いとしています。

 主導銘柄とは四半期や通期のEPSが強く伸びており、株価パフォーマンスも好調である銘柄の事です。時価総額や知名度ではなく、その企業の好調である実績が、現在の市場を大きく引っ張っている銘柄こそが最も活力がある銘柄であると考える事ができます。

 その根拠としては、この様な活力がある銘柄は、機関投資家や個人投資家からの定期的な投資対象になりやすく、株価が継続的に上昇していきやすいからです。

 また、その企業の業績に関係のしない突発的な相場の下落(コロナショック など)があった際に、EPSが良い主導株は投資家から割安であると判断されやすく、いち早く下落トレンドから回復しやすい特徴があります。

◆主導銘柄の見分け方

・RSI(総体力指数)が80以上の銘柄

 RSIとは値動きの強弱=”活き”の良し悪しを表します。数値は0~100で表され、一般的に70~80%以上で買われすぎ、20~30%以下で売られすぎと判断されます。RSIが80以上という事は、多くの投資家が買い向かっている企業と判断でき、その業界の平均株価上昇率に対し、上昇率を上回る可能性が極めて高くなります。

・RSIが40〜60以下の銘柄は避ける事

 RSIが40〜60以下の銘柄は投資家からあまり注目されていない銘柄であり、市場全体が下落した際に特に売られやすい傾向がある銘柄になります。

【I=機関投資家による保有銘柄か】

I = Institutional sponsorship(機関投資家に好まれているか?)

 機関投資家が保有する銘柄を狙う事です。日本の市場は70%が機関投資家が保有している銘柄です。株価の上昇に乗るためにはこの7割を占める機関投資家が売買する銘柄である方が株価の上昇を引き起こしやすいとしています。反対に機関投資家などのプロの投資家が保有しない様な銘柄の株価は動きが限定的なのです。

(※機関投資家とは人に運用を任されている会社(プロの投資家))

◆機関投資家の保有株の見極め方

 機関投資家が保有している銘柄かどうかの見極め方は、四半期毎の機関投資家の数の変化を見る事です。

 機関投資家が保有している株を、後から個人投資家が買い向かうのは遅すぎるのではないかと思う方がいるかもしれません。しかし、機関投資家は多額の資金でその銘柄を売買する為、流動性の観点から、一度で大きく買わずに少しづつ購入していく傾向があります。その為、機関投資家がその銘柄を購入した形跡を見つけた後からでも、株価が上昇していく可能性が高いのです。

【M=株式市場の動向】

M = Market(マーケット全体の地合いは良いか?)

 マーケット全体が成長し拡大していく業界の主導株を選べば、マーケットの成長の恩恵を受けつつ、またそれを上回るパフォーマンスで株価が上昇する可能性があります。 反対に、マーケット全体が縮小傾向の業界に位置する企業は、その業界のマーケットに引っ張られ下落していく可能性が高い銘柄になります。

 その他にもマーケットが強気か弱気かを判断し、弱き相場から強気相場に転換したタイミングに投資する事が大切です。

◆トレンド転換のポイント:『強気相場から弱気相場への転換(下落トレンドへ)』

①出来高が増えているのに株価は横ばい

②その業界の指数に先立った主導株の不審な値動き

◆トレンド転換のポイント:『上昇の試しが失敗する時のサイン(下落トレンドへ)』

①株価は上昇しているのに出来高が増加しない

②日経平均の上げ幅が前々日、前日に比べ徐々に小さくなっている

③直近の高値、安値の幅の50%を中々超えない

 これらの特徴が株価に現れたら下落トレンドへ転換する可能性が高くなります。逆手にとれば、空売りを仕掛けて利益を取るタイミングになり易いとも言えます。

【まとめ】

 いかがだったでしょうか。今回はウィリアム・J・オニール著の本の内容を抜粋しました。本書は初心者からベテランまでの多くの投資家が読んでいる、成長株の見つける為のバイブルとなっています。

 もし読んだ事がない人は必ず読むことをお勧めします。根拠や考え方の本質がわかる様になる事でしょう。

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 今回のこの知識を、あなたが持っている知識やこれから得る知識と合わせてみて下さい。そうする事であなたの未来は必ず開けていく事でしょう。

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