前回、MMT(現代貨幣理論)について記事を書きました。もう少し詳しく知りたいという声を頂きましたので前回の続きを書いていきます。今回は従来の経済の考え方がどの様なものであったかなど経済金融政治に全く関心がなくわからない人でもわかる様に記載していきます。

この記事を読む前に是非下の記事を読んでみてください。

前回の記事にも記載した通り私はこのMMTという理論を鵜呑みにしている訳ではありませんし、特定の政党を指示している訳ではありません。

しかし私がこのMMTを学ぶ理由は現在の金融システムの欠陥に繋がる事が多少あると考えているからです。この金融システムの欠陥については私が書いている他の記事を理解し、それを線で繋げていけば少しづつ見えてくると思います。

投資戦略としてその欠陥をいかに上手くついていくかが、利益を上げていく上で重要であると私は考えています。多角的に色々なものの見方をしてみてください。

■目次

  • 従来の経済学の貨幣の考え方『商品貨幣理論』
  • MMT現代貨幣理論の貨幣の考え方『国定信用貨幣論』
  • MMTと従来の経済学の財政理論の違い
  • 従来の経済学では説明できない日本経済の現状
  • MMTで説明する日本経済と日本財政
  • まとめ

【従来の経済学の貨幣の考え方『商品貨幣論』】

前回の記事でMMTの概要を記載しました。しかし、従来の経済学がどの様な考え方の上で成り立っていて、このMMT(現代貨幣理論)とは何が違うのかハッキリしない人がほとんどではないでしょうか。

まずは従来の経済学がどの様な考え方かを見ていきます。

■従来の経済学主流理論:『商品貨幣論』とは

従来の経済学の考え方は『商品貨幣論』が軸となっていると言われています。

商品貨幣論とは、通貨は過去の物々交換から発達した事によって、貨幣そのものに価値があると人々が認識する様になったことでお金には価値を持っているとする考え方です。

お金の歴史を遡ると、物々交換が行われていた事からお金の起源が始まりました。しかし物々交換では不便である事や、生物などは価値が変化してしまう事から、そのうちに保存が効きやすく何らかの価値をもった「米」や「貝殻」などの「商品」が、便利な交換手段(つまり貨幣)として使われるようになりました。これが貨幣の成り立ちとされてきました。

もともと貨幣とは物々交換の不便を補うものとして発展し、保存が可能で、持ち運びが便利な、交換の万能性を有した価値、つまりは万能商品のようなものとして発展していったのです。

そして、この万能な交換手段の代表的な物としての「商品」が貴金属、特に金や銀であるとされたのです。

そしてその後貨幣制度は発展していき、金と紙幣の交換レートが決まっており、信用が裏付けられていた兌換紙幣が生み出され普及します。

しかし、そのシステムが崩壊、現在はその『金』による裏付けを取っ払った不換紙幣へと変わっていったのです。

不換紙幣とは金や銀などの本位貨幣などの何にも価値の裏付けがされていない紙幣の事です。言ってみれば政府の信用によって成り立つお金なのです。現在の紙幣はこの不換紙幣なのです。

本当の所は何も価値の裏付けのないただの紙切れでも、この紙切れには価値があると大多数が信じ込んでいる事によって、その紙幣は価値を持つ事ができお金になっているとされる考え方なのです。

皆さんもお金はほとんどの人が価値があると思い込んでいるからこそ成り立っているという話を一度は聞いた事があるのではないでしょうか。この話はこの『商品貨幣論』から来ているのです。

詳しいお金の概念の変化の歴史については過去に記事を書いていますので読んでみてください。

金融システムの変化

【MMTの貨幣の考え方『国定信用貨幣論』】

MMTの考え方の根幹に位置するのがこの国定信用貨幣論です。お金の考え方が従来の商品貨幣論とは全く変わります。

■国定信用貨幣論とは

簡単に言えば国がお金に信用を与えているという事です。これは租税貨幣理論とも言います。国は公共事業を整えたりインフラを維持する為にどの時代も必ず税金を徴収しています。国に税金を払うのに、その国の通貨(お金)が必要だからお金には価値があるとする考え方です。

税金は必ず国民は少なからず納めています。消費税や所得税、住民税など日本人であれば当然日本円で納めなければなりません。日本円で税金を納める事ができない人は捕まります。だから必然的に国民は日本円を扱わなければならなくなるのです。

つまり、この国定信用貨幣論とは、国が税金をその自国通貨で納めさせる事を決めた事によって、その国の通貨にお金の価値が生まれるとされるのです。

言い換えれば『国がお金に信用を与えている』という事です。

国定信用貨幣論であれば、租税に一定数その国の通貨は必ず使われるという事実がお金の信用の裏付けとなります。

即ち利益を上げている企業が少なからずいたり、その国の通貨を使って生活をする人々がいれば、その事実がその国の通貨のある一定の信用へと繋がっていると考える事ができるのです。

この税金によって、お金には信用が生まれているとする考え方は現在の経済学では主流になって来ています。

従来の経済学と新しく出てきたMMTの考え方には、根本的なお金の概念の大きな違いがあるのです。

【MMTと従来の経済学の財政理論の違い】

2つの理論の考え方の根本的な大きな違いは、中央銀行が政府の味方なのか、はたまた独立しており政府には肩入れをしない立場であるかの違いです。

財政均衡主義(従来の経済学)

従来の経済学の財政に対する考え方財政均衡主義という考え方です。これは、中央銀行が政府の為に経済的な協力をする事はもってのほかで、基本的には税収のみで国を運営しろという考え方です。

この考え方では、財政赤字を垂れ流す事は国の信用の失墜につながる為、財政赤字を減らし税金で収支を賄うべきとされています。

その国が好景気で税収が好調の時は可能な方法ではありますが、時代が変化し経済成長があまり見込めない先進国ではこの考え方を実行し遂行できる国はほとんどありません。

■機能的財政論(MMT)

反対にMMTの財政の考え方は、機能的財政論と言います。

この考え方においては中央銀行と政府は統合政府であるとみて、国をうまく運営していくには共同で政策をとるべきとする立場にあります。

国民から徴収する税金は、国を運営する為の財源では無く市場をコントロールする手段であるという考え方です。

この考え方で一番に重きを置くのは経済の安定と経済成長であり、財政赤字が増えているかどうかは気にする必要は無いとしています。

なので、国の収入と支出を無理に黒字にする必要は無く、お金を発行できる立場である政府(中央銀行)は、国債を発行する事で市場にお金を供給し、税金を調整し課す事でお金を回収すると言った形で、供給量のコントロールを行う立場であるという考え方なのです。

一般企業の赤字は返さなければいけませんが、国の赤字の概念は一般企業とは全く考え方が全く違います。

なぜならお金を作る事を中央銀行ができるからです。

もしあなたにお金を作る事ができる財布があれば、支出を気にせずいくらでも使えますよね?MMTの概念を単純に言えばこの様な考え方なのです。

【従来の経済学では説明できない日本経済の現状】

Photo by David Dibert on Pexels.com

MMTがなぜ盛り上がっているかというと、日本の現状を説明できるのがMMTであると言われているからです。反対に、既存の経済学では全く説明できないのが今の日本経済なのです。

今まで、日本は既存の経済学を信じて政治を行ってきました。消費税の導入からどんどんと増税していき今では10%になっています。当然それだけではなく小泉政権の郵政民営化、民主党政権の事業仕分け等々、例を挙げればキリがありません。

これらは全て、財政均衡主義を重きを置いた政府支出を抑える手法です。

この政策を行う理由の根幹は、既存の経済学を元にした『財政の健全化』という名目の立て直しです。しかしこの様な政策を取り続けた結果、財政赤字が減る事もなく日本経済は疲弊し続けデフレから脱却できずにいます。

GDP成長率は世界最下位ですし、実質賃金の成長率も先進国で最低レベルです。世界では衰退国とまで言われています。

この様な従来の経済学に則った政策をとった結果が、経済成長が全く起こらない今の失われた30年であるという事は紛れもない事実です。

■国債の大量発行による金利と為替の関係(従来の経済学)

MMTの考え方はインフレが行き過ぎなければ国債はいくらでも発行しても良いとしています。もしこの様にインフレが進まなければ国債は発行しまくる事ができます。現状の日本経済は今まさにその状態です。

MMTの批判で多いのが、国債が増え続けた場合、その国の信用が無くなり円の価値が暴落してハイパーインフレが起こるぞというものです。

従来の経済学で考えた場合は確かにその様に考えられるとされています。

例えば、国債が増続けていくと借金を返せるのかという疑念が市場に増していきます。

その結果、その国の信用が低下する事になります。

国の信用の低下によって引き起こされる事は、その国の国債に人気がなくなり国債価格は下落し、国債価格と相関関係にある金利は上昇します。またその国の為替の人気も無くなり下がる(円安)とされています。これによりインフレに進むとされています。

日本政府の国債の増加と為替と経済状況の関係

これは、お金に価値の物的な裏付けが無く、単純な需要と供給のみで価値が決まっているというが考え方です。信用の需要がなくなれば、国債も為替の価値は下がり続けてしまうという考え方です。

■国債の大量発行による日本の現状

しかし現実どうでしょうか。下のグラフは財務省が公表している国債残高と金利の推移です。

日本政府の国債残高は右肩上がりであるのに関わらず、金利は右肩下がりなのです。

財務省国債残高と金利の関係推移

日本の金利はバブル崩壊移行一向に上昇する兆しも見せず今ではマイナス金利を導入しています。それだけでなくデフレからの脱却もほとんどできていません。いつ日本の国債の信用が落ち国際価格が暴落し金利が上がりハイパーインフレが始まるのでしょうか。

この事から、現時点での日本の財政状況と経済の関係においては、事実として従来の経済学の論理では日本という異質な国の経済と財政を説明できないのが分かります。

【MMTで説明する日本経済と日本財政】

従来の経済学では日本経済の現状が説明できない一方で、MMT(現代貨幣理論)では説明をしやすいのです。

MMTの貨幣論である、国定信用貨幣論で考えれば、国の税金を集める力がお金に価値を与えていると考えます。過去から現在において国の税金を集める力はほとんど変わっていません。

だからこそ国や通貨、国債の信用は落ちないのです。

また、MMTの考え方の基本に政府の赤字は民間の黒字であるという考え方があります。今まで財政黒字を目指して支出を抑えていれば、相対する民間の黒字は減る為で、インフレなど起こりうる訳もなくデフレになっていくに決まっていると考える事ができるわけです。

【まとめ】

いかがだったでしょうか。前回に引き続きMMTについて記事を書いていきました。

このMMTという考え方は批判の多い考え方です。今まで正しいとされてきた考え方を180度変える考え方であり、経済界の地動説とも言われています。

もしこのMMTの考え方が正しいとしても、今まで結果として間違ってきた政策をとってきた与党は、今更自分たちがとっていた政策が全て間違っていましたとはいう事はできないでしょう。

だからこそ国民がこの様な議論があるという事を知る事が大切になり、世論を少しでも変えていく為には大切であると考えています。

前回に引き続き、あくまでもMMTの概要に少し触れた程度の内容です。より詳しい詳細を知りたい方の為におすすめ本を紹介しておきますので是非学んで見てください。もしかしたら何か気づきが得られ先行者利益に繋がるかもしれません。

いかがだったでしょうか。今回の記事が良かったと思う方は良いねとSNSのフォローをよろしくお願いいたします。

短期トレードにお勧め口座はこちら

私が使うお勧めのFX口座はこちら↓

CFDを初めて取引する方にお勧め口座はこちら↓

 

個人事業主や主婦の為の個人年金iDecoお勧め口座はこちら↓

 

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中