相場格言の「強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観と共に成熟し、幸福のうちに消えて行く」をご存知でしょうか。今回の記事はこの格言の根拠について知る事ができる内容となっております。
2021年の相場は大相場でした。中国株以外の株価指数は1年間で大きく成長し、特に米欧のメイン株価指数は15〜30%程度も成長しました。

もしあなたが本日のメインテーマである『相場サイクル』を理解していれば今年の株式投資の結果はとても良い結果を得る事ができたのではないでしょうか。
また2022年が始まってからは株式相場はとても軟調であり2021年とは明らかに相場の流れが変わりました。相場の流れは常に変化していくものですが、その小さな流れの中に大きな流れが存在します。この流れの変化を感じ取り、その時々にあった投資戦略を取る事が利益を上げる上でとても重要です。
本日は知っておくだけで得をする『相場サイクル』について記事を書いていきます。
■目次
- 相場サイクルとは
- 金融相場とは
- 業績相場とは
- 逆金融相場とは
- 逆業績相場とは
【相場サイクルとは】
相場の方向性を決める重要な要素に景気があります。景気が良い、悪いという話は社会に出て働いていると頻繁に聞きますが、歴史を遡ればこの景気にはある一定のサイクルがある事が分かります。
この景気は好況と不況をグルグルと繰り返しており、景気が好況の際に株価が上昇し、不況の際に株価が下落する事は誰もがイメージを持っているかと思います。
この景気のサイクルは、株式相場にもサイクルをもたらすとされており、株式相場の場合は4つのサイクルに分類する事ができるとされています。
実体経済の景気の好況と不況を繰り返す中で、現在の株式相場がこのサイクルの中のどの地点にあるのか見極める方法をサイクル理論と言います。
■サイクル理論の4つの相場サイクル
サイクル理論には大きく4つの相場の種類があるとされています。それが、
- 金融相場
- 業績相場
- 逆金融相場
- 逆業績相場 です。

これを繰り返す事で株価は上昇していくのです。

サイクル理論を表した上の図の通り4つのフェーズについて、1つずつ解説していきます。
【1.金融相場】
金融相場とは、国の中央銀行が様々な景気刺激策を打つ局面を指します。例えば直近で言えば新型コロナウイルスが発生した際に株価が大きく下落をしました。
市場は恐怖に包まれている最中、世界の中央銀行は揃って金融緩和を行い株価が回復し、いつの間にか米国の株価指数は最高値をどんどんと更新していきました。
冒頭で紹介した格言に『強気相場』は悲観の中に生まれるとあります。

これこそが強気相場である、『金融相場』であったと判断ができます。
この金融相場かどうかを見極める時に指標となる有名な施策は以下の2点です。
- 中央銀行が政策金利を下げる
- 金融緩和でお金の供給量を増やす
この二つの中央銀行の政策は、いずれもお金の循環をよくする事を誘発するものです。市場に大量にお金を供給する事で企業や個人にお金が回る状態を作り出すのです。
お金が回ってくれば企業や個人はそれを投資や消費で使うようになり、社会全体の景気が上向きやすくなります。コロナ給付金などの施策もこれに含まれます。
金融相場は不況から好況へ切り替わるタイミングなのです。
■金融相場の好調業種
金融相場では、金利、為替などのマクロ要因がミクロ要因よりも重視され、企業業績回復期待で先行して株価が上がります。業績の回復は株価に対して遅れるため、株価指標であるPERやPBRが割高であっても買われることが多いのです。
買われるセクターは、景気敏感セクターや不動産など金利低下メリットを享受する企業が挙げられます。また、業績が伴わない相場のためバイオセクターなども人気になりやすい傾向があります。
その他にも、実体経済は不況な為、公共投資が活発化する為、建築・土木業界や、不況でも需要が落ちにくい電気ガスなどの公共サービスなどが相場を牽引しやすい傾向があります。
【2.業績相場】
金融相場を経験した後に、来るのが業績相場です。
金融相場によって市場にお金が溢れた事によって少しずつ好況に変わり、企業の業績も上向き加減になります。金融相場は役割を終え、業績相場と呼ばれる局面に入ります。
業績相場では企業の好決算の情報も多く聞かれるようになり、相場全体が買われ、株価が継続的に上昇する局面になります。
業績相場であるかどうかを判断する指標は
- 経済指標が好転し始める(雇用統計や企業の好決算など)
- GDP・GNPが回復
- 中央銀行の金利の引き締め が挙げられます。
実体経済の回復から実体経済の成長へとつながり、景気がよくなり、多くの企業の業績がよくなるフェーズです。業績相場は実体経済の景気は好況 から最好況をむかえるタイミングです。
■業績相場の好調業種
業績相場では、金融相場を経て割高になった株価指標も企業業績の回復と高利益によって割高感が薄れていきます。
買われるセクターや銘柄は、景気拡大で業績にメリットを受ける実需の企業などが中心となります。
◇業績相場前半:繊維、紙パルプ、化学、素材、鉄鋼、非鉄などが、
◇業績相場後半:機械、電機、自動車、精密機械等
2022年1月現在の日本相場の状況はここである事が予測されます。
【3.逆金融相場】
業績相場が過ぎると次にくるのが、逆金融相場です。企業の業績好調が長く続くと、好景気が加熱気味になり、物価上昇(インフレ)により社会が不安定な状態になってきます。
インフレが進み過ぎると著しく通貨の価値が下がってしまう事を恐れ、通貨価値の安定とインフレの抑制の為に、国の中央銀行は加熱相場を抑えるために政策金利を上げる動きを取ります。
この様に中央銀行は金融相場の時と反対の施策(金融引き締め)を取るようになります。
これを『逆金融相場』と呼びます。
『逆金融相場』では企業の業績悪化が予想されるようになり、株式市場にあったお金が預金や債券市場に流れるようになります。
株式市場では売り注文の勢いが強くなり、株価が下落局面を迎えていきます。
逆金融相場は最好況 から不況へ切り替わるタイミングなのです。
■逆金融相場の好調業種
注目されるセクターは、金利上昇でも業績に影響の出にくい無借金企業などバランスシートが健全な企業です。
下落するセクターが多い為キャッシュポジションを増やしておくと良い期間です。
【4.逆業績相場】
金利が上昇すると、金融機関などから借金をしている企業の返済手数料が重荷となり、業績を悪化させる企業が増えてきます。
業績を悪化させた企業は投資を手控えるようになり、リストラの動きも顕著になります。
企業の悪決算に株式市場は反応し、株価全体が下落していくことになります。
逆業績相場は不況 → 最不況をむかえるタイミングと理解しましょう。
■逆業績相場の好調業種
銀行株長短金利差で利益を生む銀行株や金融関連業種は好調な傾向が見られます。
また平常時に割高な『優良株』が安く買えるチャンスでもあります。逆金融相場で増やしたキャッシュポジションを有効活用できる期間でもあるのです。
【サイクル理論まとめ】
逆業績相場と株価下落が延々に続くかというと決してそうではありません。
不況に危機感を持った国や中央銀行は新たな動きを起こし、「1.金融相場」へ移行させるために金融緩和施策を打つのです。
下図のように「金融相場」→ 「業績相場」 → 「逆金融相場」 → 「逆業績相場」 → 「金融相場」・・・と国家施策と景気が循環することで、相場のサイクル理論が成立しています。

【投資をする絶好のタイミングとは】
最後に相場のサイクル理論を使って、株式における最適な投資タイミングを確認してみます。
◇おすすめ1番
最も投資を行うべきタイミングは「逆業績相場」 から 「金融相場」へ切り替わるタイミングです。
ここで投資をする事ができれば好況へ切り替わった後の株価上昇期を長く享受することで、最も儲かります。
金融緩和や政策金利の引き下げというキーワードが出てきたら、投資の準備をる事をお勧めします。
◇おすすめ2番
次に利益を出しやすい相場は「金融相場」 → 「業績相場」です。
1番目のタイミングに比べると株価上昇期間が短くなり儲け幅も小さくなるかもしれません。一方で企業の好業績の流れに乗ることができ、最も安定して儲けられる可能性があります。
ただし「逆金融相場」への切り替わりに巻き込まれると株価下落による損失を被ってしまいます。「業績相場」で投資する場合は、相場の過熱と中央銀行による金融引き締めに注意が必要です。
2022年1月現在の世界の相場は、国の政治によって大きく動きが変わる一年になります。
現状はアメリカとイギリスは、金融の引き締めを行う事を予定しており、反対に日本では金融引き締めを行う予定は今のところありません。
この様な世界各国の動きの違いや、景気の違いなどによるギャップに着眼して投資を行う事で期待値を上げる事ができます。
投資機会を逃してしまった場合、で投資をしている人としていない人とでは資産の増え方が大きく変わってしまいます。この知識を知っているだけで機会損失を避けられるのではないでしょうか。
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