本日は投資中級者から投資上級者やプロトレーダーがよくヘッジ(リスク分散)として使用するオプション取引について記事を書いて行きます。オプション取引について理解できれば、投資に必ずついて回るリスクを減少させる事ができ、使い方によっては突然の大暴落にも備えることができたり、大きな損失を回避する事もできます。
オプション取引をマスターし、自分の投資に組み込む事は投資の幅を広げますし、私個人としては勝率を上げることもできると思っています。
今回の記事を見ることでオプション取引についての基礎知識を学ぶ事ができます。
■目次
- オプション取引とは
- オプション取引の取引期限
- オプション取引の決済方法
- オプション買い手と売り手の取引損失と利益の違い
- コールオプションの損益具体例
- オプション取引のメリット
- オプション取引のデメリット
- まとめ
【オプション取引とは】

皆さんはオプション取引をご存知でしょうか。過去のニュースでソフトバンクが多額の資金を米国株のオプション取引をしていた疑惑があると報じられました。これは全く悪いものではなく、単に金融商品に健全に投資をしていただけの話であり、むしろ投資をする私からするとさすが孫正義氏であると思いました。
本日はソフトバンクが行っていたであろうオプション取引について詳しく記事を書いていきます。
◆オプション取引とは
まず理解をする為に、この言葉の意味を解説していきます。
オプションとは和訳すると「権利」の事を言います。
オプション取引とは、原資産(日経平均株価やTOPIX等の指数に連動した商品)をあらかじめ定められた期日に、あらかじめ定められた価格(権利行使価格)で買う、または売る権利を取引する事を言います。
◆原資産を買う権利のことを「コールオプション」
◆売る権利のことを「プットオプション」
といいます。
オプションの買い手は、オプション代金(プレミアムと言う)を支払って権利を保有します。オプションの売り手は、プレミアムを受け取ることによって、買い手が権利行使したときにそれに応じる義務を負います。
ここで重要なのは、オプションの買い手は、オプションの売り手は買い手が権利を施行した際には売り手は必ずその価格で取引を行う義務が生じるという点です。
即ち、義務ですので当然義務を放棄することはできまないという事です。

上記図の様に半年後に10000円で日経平均株価を買う権利をオプション料500円で購入した場合、半年後の日経平均株価の金額が10500円以上でその差額が利益、10500円以下の場合、最大損失500円となります。
オプション取引では、コールオプションの「買い」と「売り」、プットオプションの「買い」と「売り」の4種類から選択することができます。

◆権利行使のタイプ
権利行使のタイプには大きく2つあり、
●アメリカン・オプション:満期日までの期間中であれば、いつでも権利行使が可能なオプショ ン
●ヨーロピアン・オプション:満期日にのみ権利行使が可能なオプション
があります。
【オプション取引の取引期限】
◆オプション取引の取引期限
指数オプション取引の商品には、取引できる期限(期日)が定められています。これを限月(げんげつ)といい、取引を行なう際には、この限月を選んで取引します。簡単にいえば、その決められた限月にポジションは必ず決済されるという事です。
オプション取引の満期日は各限月の第2金曜日(休業日の場合は順次繰上げ)、取引最終日は満期日の前営業日です。
満期日には、SQ(エスキュー)と呼ばれる特別清算指数値が算出され、権利を行使するか、放棄するかの基準となる価格となります。
【オプション取引の決済方法】
オプション取引の決済方法としては、
1.反対売買、2.権利行使、3.権利放棄 の3つの方法があります。
この取引決済方法について説明して行きます。
1.反対売買
取引最終日までなら、反対売買(買建の場合は転売、売建の場合は買戻し)によっていつでも決済ができます。
2.権利行使
日経225オプション、TOPIXオプションの買い手は、満期日のみ権利行使ができます。
取引最終日までに反対売買せず、イン・ザ・マネー(コールなら「権利行使価格<SQ値」、プットなら「権利行使価格>SQ値」)で満期を迎えた場合、自動的に権利行使したとみなされ、権利行使価格とSQ値との差金決済となります。
売り手は権利を行使されると、それに応える義務があります。
3.権利放棄(消滅)
オプション取引の買い手は、権利行使しても利益にならない場合は、権利を放棄することになります。
売り手は、買い手が権利を行使しない場合、売ったときのプレミアムが利益として確定します。
【オプション買い手と売り手の取引損失と利益の違い】

◆オプションの買い手は損失限定で利益は無限大
オプションの買い手は、権利行使しても利益にならない場合は、権利を放棄することができるので、買い手が被る損失額は支払ったプレミアムに限定されます。
コールオプションの買い手が見込める利益は、理論上無限大となり、プットオプションの買い手が見込める利益は、理論上原資産の価値がゼロになるまで増大します。

◆オプションの売り手は損失無限大で利益は限定的
一方、オプションの売り手は、この関係が逆になります。利益はプレミアムに限定されますが、コールオプションの売り手の損失は、理論上無限大となり、プットオプションの売り手の損失は、理論上、原資産の価値がゼロになるまで増大することになります。
【コールオプションの損益具体例】
コールオプションの具体例を数値で見てみます。
コールオプションを簡単に復習すると、
①あらかじめ決めた満期日(限月)までに、
②あらかじめ決めた価格(権利行使価格)で、
③「買う権利(コール)」、または「売る権利(プット)」を、
④○○○円というオプション価格で売買すること。(○○○円が株価と同じように変動します)
を言います。
価格の実例を挙げてみてみます。
(例)日経225オプション ①2020年7月末限 ②権利行使価格 23,000円 ③コール ④300円(オプション(権利)の価格)で保有し満期が来た場合を想定します。
この場合、「2020年7月の満期日までに、23,000円で買う『権利』(オプション)を300円という価格で売買する」というしくみになります。
このオプション費用の「300円」は株価のように変動します。前述の通り、満期日のことをSQ日と言い、その満期での価格23000を「SQ価格」といいます。
この期日までの日経225の価格も当然変動して行きますが期日に結果的に下記①と②のパターンの価格になったと考えます。
損失と利益の考え方は下記の様になります。
Ⅰ.権利執行日(2020年7月末)に日経225の価格が24,000上昇した場合
24000円-(コスト300円(オプション価格)+23000円(権利行使価格))
=700円/1株(利益)となります。
Ⅱ.権利執行日(2020年7月末)に日経225の価格が22,000で下落した場合
この際は、買い手はオプションを放棄する事ができ、放棄をすればそれ以上の損失は生まれません。したがって、
=-300円/1株(利益)となります。
【オプション取引のメリット】

◆リスクが限定される
買い手については、損失は支払ったプレミアム(に限定この場合、思惑が外れても支払ったプレミアム以上の損失は生じません。
◆レバレッジ効果
少額の資金で大きな利益を出す事が可能です。 原商品の価格より少額のプレミアムでその商品の取引と同様の利益をあげることができます。
◆多種多様な取引戦略
短期売買のポートフォリオにオプションを組み込む事で先物や現物との組み合わせる事で、リスクヘッジや、ハイリターンを狙う組み方など、使用用途は様々です。相場に応じて戦略を組み替える事で通常のトレードのリスクを抑える事ができるのが大きなメリットです。
【オプション取引のデメリット】
◆買い手のデメリット
最初にプレミアムを支払っているため、同様の先物取引を行った場合と比較して、損益分岐点がプレミアム分不利になります。
先物取引同様、取引に期限があるため、期限内に自分の予想通りの値動きをしなければ損失になります。
先物取引に比べ、損失が限定的なのが大きなメリットですが、損益分岐点がプレミアム分高くなるのがデメリットになります。
◆売り手のデメリット
利益はプレミアム分に限定され、かつ損失は無制限といえます。売り手は権利を行使するか放棄するかを選ぶことができない為、買い手が権利行使した場合はその権利を受ける義務があります。
ですのでよっぽどの事がない限り、私は売りで取引を行う事はありません。
【まとめ】
いかがだったでしょうか。オプション取引は複雑ですが、理解できればあなたの投資の武器になる事は間違いありません。
またオプション取引の戦術には様々な方法がある為、マスターした際には億万長者も夢ではないと思っています。
その様々な方法についても、次回以降記事を作成さて行ければなと思っています。
また本日投稿したこの記事の内容だけでも、現物取引や先物取引と組み合わせるだけで期待値を変化させる事ができます。ぜひとても奥が深く魅力溢れる世界ですので勉強してみてください。
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