お小遣い制のサラリーマンが投資を始める場合、リスクを極限まで抑えたいと思いますよね。家族に投資を始める事を説得しようとしても、投資は危ない、どうせ勝てないなどといった先入観を持つ周りから止められる事も少なくないでしょう。
今回の記事の内容をマスターすれば、投資のリスクを極限まで減らす事ができますので、元本が減るリスクに対しアレルギーを持っておられる方には最適な知識になります。
前回の記事では1億円の作り方と複利の効果について触れました。今回はそこでも少し触れている初心者が投資を始めるにあたって、一番実践的でリスクを最小に抑える具体的な投資手法について記事を書いていきます。
■目次
- 投資のリスクを極限まで下げるドル・コスト平均法
- ドルコスト平均法の具体例
- ドルコスト平均法のメリットまとめ
- ドルコスト平均法のデメリット
- まとめ:ドルコスト平均法で長期資産形成を
【投資のリスクを極限まで下げるドル・コスト平均法】

ドル・コスト平均法とは、投資信託やETF購入などを積み立てて、長期運用を行う際によく用いられる手法です。
ドル・コスト平均法を簡単に説明すれば、「決まったスパン(期間)」において「定額」で投資対象を購入し続ける方法の事を言います。
【ドルコスト平均法の具体例】
具体的に数字を当てはめて考えていきます。
今回は毎月3万円を定額(ドルコスト平均法)でAという金融商品を毎月1回のスパンで買い付けていく場合を考えていきます。
ここの考え方を落とし込む為に一番重要な事は、投資信託やETFなどの金融商品は価格が常に変動しているという事です。これがこのドルコスト平均法のメリットを理解する上で最も重要な大前提となります。
今回はAという商品の価格(単価)が下記表1の様に推移したとします。7回目に暴騰するパターンで考えてみます。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | |
A商品単価 | 1000 | 600 | 600 | 1000 | 1000 | 600 | 1500 |
これをドルコスト平均法で30000円/月で購入していった場合どうなるのでしょうか。
定額で毎月3万円をAと言う投資信託の商品を購入していく場合、毎回買い付ける口数がそのAという投資信託の価格の変動に反比例して変動します。
Aの価格が高くなればその購入口数が減り、Aの価格が安くなればその購入口数が増えるという事です。
30000円/月の定額で、価格が変動している投資信託Aという商品を購入すると、口数が毎回変動し下の表2の様な口数を取得していく事になります。
毎月や3ヶ月に一回と言った様に、定期的に決まった額をAという金融商品を購入する事で、相場が高いときには少なく、相場が安いとたくさん購入するということが自動的に行われていく事が理解できると思います。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | |
A商品単価 | 1000 | 600 | 600 | 1000 | 1000 | 600 | 1500 |
購入金額 | 30000 | 30000 | 30000 | 30000 | 30000 | 30000 | 30000 |
累計費用 | 30000 | 60000 | 90000 | 120000 | 150000 | 180000 | 210000 |
購入数量(口) | 30 | 50 | 50 | 30 | 30 | 50 | 20 |
計算式:30000÷A商品単価=口数
この様にドルコスト平均法を続けていく事によって得られる最大のメリットはAという金融商品の平均単価を抑える事ができる事です。
A商品単価と購入数量を分散する事で、A商品単価が高い時に少量を、価格が低い時に大量に購入する事ができ、長期的に見た場合平均単価を抑える事ができます。

資産の推移と平均取得単価と購入数量の推移を抽出し、グラフで見ていきます。

1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | |
A商品単価 | 1000 | 600 | 600 | 1000 | 1000 | 600 | 1500 |
ここでの一番のポイントは7回目の取得単価が1500円になった場合でも平均取得単価は過去に比べそこまで変化せず808円に抑える事ができており、かつ資産は膨れあがるという事です。
平均取得単価を抑えリスクを減らす事ができるこれこそが『ドルコスト平均法』の最大のメリットなのです。
【ドル・コスト平均法のメリットまとめ】

- 定額・定期購入なので手間がかからない
ドル・コスト平均法の場合、毎月など定期的に定額を購入するので、いったんその設定をしてしまえば、あとはほったらかしにする事が可能です。投資初心者で投資についての知識がない初心者にはベストな手法なのではないでしょうか。
2.サラリーマンの安定給与所得との相性が抜群
相場の変動に関わらず購入額が最初に自分で設定した額に確実に固定されるため、将来の収入が現時点で把握しやすいサラリーマンにとっては相性が良いと考える事ができます。
もし購入商品が暴騰暴落しても投資金額が増える事はありませんので、定期預金などの感覚で無理なく実行しやすいのも特徴です。
3.毎日の相場チェックが不要
また、ドルコスト平均法を使って投資商品を購入していく場合、基準価額が下がっても、「たくさんお得に買えた」と考えることができるので、毎日相場をチェックして一喜一憂する必要がありません。
4.安く買い集める事ができ、高く売るタイミングを見つけやすい
投資を行っていると必ず高値掴みを行ってしまう物です。しかし、長期スパンでのドルコスト平均法の積立投資であれば、その高値のタイミングでは購入数量を自動で減らす事ができます。
右肩下がりに価格が推移している商品以外を選ぶ事さえできれば、いつ売却しても含み益が出るという状況に常になります。
右肩上がりで価格が十中八九上がりやすい金融商品は過去のブログで公開していますのでぜひ読んでみてください。
【ドル・コスト平均法のデメリット】
メリットがある反面、当然デメリットもあります。ここではそのデメリットについても紹介いたします。
1.手数料がかさむ
まず、毎月など定期的に定額購入するという購入頻度の高さにより、手数料はどうしてもかさんでしまいます。
例えば、株式手数料は、通常1度の取引額が小さいと手数料率が高い傾向があるため、少額ずつ高頻度で買い付けをするとトータルの手数料が割高になる場合があります。
しかし一方で、投資信託やETFは手数料が割安で、0.1%程度のものも少なくなく、無料のものも存在しています。ちなみに、「つみたてNISA」であれば、すべての商品の購入時手数料が無料です。
手数料がかかるという事は、運用利回りを手数料を加味してアウトパフォームしなければ当然利益が出ませんので、手数料は限りなく低いもしくは無料の商品をお勧めします。
2.右肩下がりの金融商品を選んでしまえば損をする
当然、このドルコスト平均法を使えば「損をしない」訳ではありません。
投資ですので常に値下がりし続ける商品を選んでしまったり、突如の暴落に損失が増えていく事に怖くなってしまい売却をしてしまうなどの出口戦略の間違いを起こしてしまえば、当然損をします。
下記の表とグラフはあくまで一例ですが、金融商品Aが2000円から毎月10から20%づつ常に値下がりをし続けた際の表になります。

この様に下落を続ける商品であれば当然評価損益は-110333という結果になります。ドルコスト平均法を使っても、下落に歯止めが止まらない商材に投資し続けるのお勧めできないという事です。
3.短期間で儲けを大きく出す事は不可能
今までも説明した通り、ドル・コスト平均法は短期間で大きな儲けを出す手法ではありません。定額で自動で購入するので、安値になった時に大量に買うなどのコントロールもできないのです。投資金額にもよりますが、短期間で数十万、数百万といった大きな儲けを狙いたい人には使えません。
【まとめ:ドルコスト平均法は長期資産形成で】
ここまで解説したように、ドル・コスト平均法は、株式や投資信託などを定期的に定額購入することで、手間なく、かつリスク分散の効果を得ながら資産運用することができます。
先程デメリットで紹介した一例(右肩下がりの下落後)に同じだけ上昇した場合に運用益はどうなるでしょうか。
下の表と図を見てください。評価損益が9回目までマイナスで10回目からプラスに転じています。
また8回目以降の評価損益の傾きを見て下さい。大きく角度を付けて上昇している事が見て取れると思います。

これは価格が安い時に大量に、価格が高い時に少量購入を行うことが出来た結果、価格が上昇に転じた際に、そのメリットが表面化するのです。
これこそがドルコスト平均法と長期運用との相性の良さになるのです。
長期的に資産形成をしたいけれど相場を頻繁にチェックする時間がないという人などに向いている手法です。デメリットも理解しておき、自分に向いた手法かを理解して使って見て下さい。
私はこのドルコスト平均法を使って、積み立てNisaを上限まで購入しております。後日その運用成績も公開していきますのでお楽しみに。
今回の記事が記事が少しでも為になった方はイイねとSNSのフォローをよろしくお願いいたします。有益な情報を更新しています。ではまた!
ドルコスト平均法を使うお勧めiDeco口座はこちらから↓

株のデイトレード・スキャルピングにお勧め口座はこちら↓

私が使用しているお勧めFX口座はこちら↓

CFDを初めて取引する方にお勧め口座はこちら↓
