【サラリーマン向け最強投資術 バリュー平均法とは?】 ドルコスト平均法を凌駕する?

【サラリーマン向け最強投資術 バリュー平均法とは?】  ドルコスト平均法を凌駕する?

 ドルコスト平均法はゴミ手法です。投資に精通する人の一部の人間はこの様に話す人が一定数います。投資初心者が行き着くのはドルコスト平均法です。しかし、投資の世界で経験を積めば詰むほどドルコスト平均法には魅力を感じなくなるのもまた事実です。

 投資の知識がついてきた経験者や、更なるステップアップを狙う人に向けて、もう一つの投資の手法の代表格である『バリュー平均法』について、メリット・デメリット、ドルコスト平均法との違いなどについて詳しく解説していきます。

 ドルコスト平均法については詳しくは過去の記事を見る事をお勧めします。

■目次

  • バリュー平均法とは
  • バリュー平均法具体例① 20年後に1億円
  • バリュー平均法具体例② 10年後に360万円
  • バリュー平均法のメリット
  • バリュー平均法のデメリット
  • ドルコスト平均法との違い
  • まとめ

バリュー平均法とは?
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 積立投資の運用手法としてバリュー平均法というものがあります。

 バリュー平均法とは、毎回の積立のときに、時価残高(評価金額)があらかじめ決めた金額になるように定期的に資金を投入していく手法です。

 あらかじめ決めた金額のことをバリュー経路(バリュー・パス)と呼びます。

 いわば毎回の積立時の目標金額です。積み立てた結果、その目標金額になるように資金を投入するので、毎回の必要金額は変わります。

 投資対象の価格が安いときにはより多く購入し、目標金額を超えたときには売却もおこない、利益を出す事ができます。

 目標金額(バリュー経路)まで減るように、売却を行い投資資産の残高を都度調整するという方法です。

【バリュー平均法具体例① 20年後に1億円】

 バリュー平均法とは、その時々によって変動する商品の「価値」に着目した投資法です。
 その運用方法は、まず最終的な目標額を決めます。例えば20年後に1億円という形で目標額を設定してみます。

 そして、その目標額を達成するためには毎月いくらずつ資産を増やせばいいかを算出します。もちろん投資商品で運用をしていくので、運用利回りも考慮して毎月いくらを投資するかを決定します。

 20年後に年率8%の利回りで、毎月約17万円を積立投資する事ができれば1億円の資産となります。

金融庁のシミュレーションサイトを貼っておきますので是非シミュレーションをしてみてください。↓↓

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html

 ここで大事になってくるのは、毎月の購入口数や購入額ではなく、その時点での評価額を決めておき、常にその額を維持することです。即ち毎月17万円づつ資産が増えるように投資していく事です。

 バリュー平均法で購入している手持ちの金融商品は、その時々によって価格が上下動します。評価額が予定よりも上回っていたら、余剰分を売却して現金化します。下回っていた場合、下回っている分だけ追加購入をして予定の額に合わせていくのです。

【バリュー平均法具体例② 10年後に360万円】

 もう一つ具体例を見ていきます。例えば子供の教育資金を貯めたい方に向けて、「10年後に360万円」という目標を設定してみます。

 これを『バリュー経路』を決定すると言います。

 10年後に360万円を貯める事を想定した場合、毎月3万円ずつ資産を増やしていければ良いので、

 8回目までのバリュー経路を抜粋すると下記表のようになります。

1回目2回目3回目4回目5回目6回目7回目8回目
バリュー経路300006000090000120000150000180000210000240000

 例えば、1ヵ月後、投資した30,000円が値下がって15,000円になっていたら、2ヵ月目は45,000円を買い足します。このようにして2回目の予定額の60,000円に合わせるように追加投資を行います。

 反対に、1ヵ月後、投資した30,000円が値上がって、2ヶ月目に60,000円になっていたら、2ヵ月目はの予定金額に達している為、追加投資はしませんし、もし2ヶ月目に70000円になっていた場合、バリュー経路を超過している分は。10000円分を売却して利益確定(現金化)し、予定額の60,000円になるように投資をしていくのです。

 

 イメージを掴むためにもう少し詳しくAという商品の価格が下記表のように推移したとして考えていきます。

1回目2回目3回目4回目5回目6回目7回目8回目
A商品単価10006006001000100060015001000

 その場合の

◆取引時の時価  =累計投資口数×A商品単価

◆追加投資額   =バリュー経路ー取引時の時価

◆購入数量    =追加等額➗A商品単価

◆累計投資金額  =追加投資額 合計

◆累計投資口数  =購入口数 合計

◆利益確定金額  =取引時の時価ーバリュー経路

※利益確定金額は+の場合発生

を計算していくと、下の表のようになります。

 ここで注意してみて欲しいのが、4回目と7回目に利益確定の出金が行える事です。このような利益確定の作業というのはドルコスト平均法では行う事ができません。

 そして8回目は累計投資金額が52,000円であるのに対し、保有商品の総資産240,000円になりました。このように長期で見て右肩上がりの商品に投資ができれば自分の投資目標金額よりも少ない累計投資金額で資産を作り上げる事ができるのです。

バリュー平均法のメリット
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①分散投資によるリスク低減効果

 バリュー平均法のメリットは、上記のとおり目標価格を下回るたびに買い付けていきますので、分散投資により平均買付コストが低くなり、一度にまとまった金額を投資するよりもリスクを低減させることができます。

 平均買付コストが下がっても、積立期間中にプラスにならなければ意味がありませんので、積立投資は長期投資が前提です。

 期待リターンがプラスである金融商品への長期投資ならば、基本的には目標金額に対し投入する金額が少なくなる可能性が高い投資法です。

②目標価格を上回った場合その分売却する

 投資において一番難しいとされるのが、売却のタイミングです。上昇トレンドの場合、誰もが高値での売却を目指しますが、実際に一番高い所で売却をするというのは非常に困難であり不可能といえます。また価格が低いところで的確に買い付ける事が困難である事も同様です。

 その点、先ほどシミュレーションした通り、バリュー平均法は時価評価が目標価格を上回った場合、その差だけ資産を一部売却し利益を計上させ、この売却した資産を次回下がったタイミングで買い付けるという事が自然とできる方法です。

 金融商品を安く買って高く売るという、投資で最も重要な方法をこのバリュー平均法で運用すれば誰でもできるという事です。

バリュー平均法のデメリット

①下降トレンドが続いた場合、資金が枯渇するおそれがある

 バリュー平均法では積立時に、あらかじめ決めたバリュー経路に達するように資金を継続して投入していくので、時価残高が下がっていた場合、その分を多めに追加投資していきます。

 運悪く下降トレンドが続いた時に、どんどん資金の追加が必要になり、手元の資金が不足してしまうという可能性があります。

 余力のあるバリュー経路を設定しなければ暴落が起こった際に継続不可能になりますので、この点が最大のデメリットになります。

 

②上場トレンドが続いた場合、運用効率が低減する

 バリュー平均法では時価評価が目標価格を上回った場合、定期的に売却をしていきます。

 しかし、この上昇相場が長期的に続くと上昇波動の途中で売却を繰り返すことになってしまいますので、そのまま保有していた場合に比べ、利益が目減りしてしまう可能性があります。

 マーケットに資金を置きつづけることが資産運用のキホンですが、一部売却もおこなうバリュー平均法は効率的でありながらも、「利益の最大化」がなされないケースがあるのもこの手法の注意点です。

 このような常に右肩上がりの商品や株価の場合においては運用のパフォーマンスはドルコスト平均法に劣ます。

③目標価格の設定が難しい

 冒頭でも述べたとおり、バリュー平均法の目標の設定をバリュー経路の設定と言います。

 このバリュー経路の目標価格が高すぎたり、低すぎたりした場合、急な相場の大きな変動に対応できなくなり投資を継続できなくなります。

 投資経験者である程度の金融知識があれば、今後の相場の値動き、どこで売買すればいいのかのタイミングを経験則から求めることができますが、しかしながら、投資初心者の場合、資産が値上がりしていると、まだ上がるのではないかというメンタルが働いてしまうため、売却のタイミングを割り切って判断することが難しいと思います。

 また、適切な金額設定ができていなかったり、相場が下落した場合に追加で投じる資金の為にあらかじめ準備金を多く設ける必要があります。

 これらを自分のキャッシュフローに対して最適な物を決定する必要があるという点では、難易度がドルコスト平均法よりも高く、投資経験者向けの手法と言えます。

ドルコスト平均法との違い

 ドルコスト平均法が定期的に定額を積み立てていくのに対し、バリュー平均法は積立時の時価評価額が、あらかじめ決めた目標金額になるように積立を行う方法を言います。

 バリュー平均法は、投資対象の価格が安い時にはドルコスト平均法よりも多く購入し、目標金額を超えたときには売却を行う事で時価評価額をコントロールしていきます。

 つまり、2つの投資手法の決定的な違いは、一回の投資金額が決まっているかいないかの違いです。決まった金額以上を投資に絶対に回せない人にはバリュー平均法を使う事ができません。

 同じようにA商品の価格が推移した場合に、

◆毎月3万円をドルコスト平均法で運用する場合と、

◆毎月3万円でバリュー経路を設定した場合のバリュー平均法を比較してみます。

 ■ドルコスト平均法

 この場合、ドルコスト平均法で毎月3万円運用した場合の8回目の評価損益は+50,000円で保有資産は290,000円になります。

■バリュー平均法

バリュー平均法で、運用した場合の8回目の評価損益は、

=240,000(8回目バリュー経路)-52,000(累計投資額)=+188,000円

 保有資産は240,000円となります。

 このように大きく価格が変動するAの様な金融商品の場合、単純な評価損益で見るとバリュー平均法の方が優位性がある事が分かります。

 この結果が出る理由は、ドルコスト平均法はただひたすら買い続けている為、高値でも少ない口数を買い増してしまっているのに対し、バリュー平均法は高値では買い増す事はせず売却を行い、安くなった際により多く商品を購入する事ができる為この様な結果に差が出るのです。

まとめ】

 老後2000万円問題などが話題となる昨今、投資未経験者が老後資金を若い内から貯める場合に最も有効な手段であるのは『ドルコスト平均法』であると私は考えています。

 そのパフォーマンスは、選んだ銘柄にほぼ委ねられると言っても過言ではありません。選んでしまった商品がゴミ商品であれば99%負けるという事です。

 一方で、バリュー平均法は投資経験者向けの手法であり、ドルコスト平均法と比較しても、売買のタイミングであったりある程度自己判断しなければいけない点でより自由度が高く、自分の投資判断に伴って結果が大きく変化する手法といえます。

 もちろん、下落局面での買い付けに関しては、慎重に判断しなければいけませんが、長期的な分散投資という面から考えてもリスクを低減させることができますので、非常に有効な手段です。

 長い目で見て、確実に目標の金額を得たいという時に、バリュー平均法は大きな効果を発揮します。

 例えば、10年後に世界旅行をしたいから300万円用意したいと思った時に、一度バリュー平均法で積立投資の設定を行い、毎月確実に積立をすれば、10年後に300万円が貯まり、確実に用意することができます。

 これが「ドルコスト平均法」の場合だと、目標金額に届くかどうかは株価の運用次第になってしまうため、ある一定のタイミングに決まった金額を用意したい場合にはドルコスト平均法はあまり向いてない積立投資方法になります。

 投資の手法は他にもありますが、重要なのは何のためにお金を貯めるかです。
教育資金、老後の資金、来年の旅行費用など、使う目的によってお金を貯める方法を変えてみては如何でしょうか?

 私は長期投資、積立Nisa、デイトレード、FX、仮想通貨は全て口座を分けています。バリュー投資法も皆さんも試してみて下さい。

 今回の記事が為になった方はいいねやSNSのフォローをよろしくお願いいたします。

ではまた!

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