近年、個人投資家の投資ブームが起こっており、株式投資は高配当株式を保有して寝かしておくべきという考え方を発信している人が多いです。確かに高配当ETFへの積立投資はお勧めですし、投資素人が短期投資で個別銘柄を選んで安定したリターンを狙おうとするよりも難易度はとても低い投資法です。

 しかし、この世の中のETFや投資信託の数は腐る程あります。腐るほどある金融商品の中には、腐った商品も多数存在します。ではどの様な基準でこの金融商品を選んでいけば良いのでしょうか。

 本日はその一つの判断基準の方法であるシャープレシオについて記事を書いていきます。

■目次

  • 投資のリスクとは
  • 標準偏差とは
  • シャープレシオとは
  • シャープレシオの求め方と具体例
  • シャープレシオの使い方と注意点
  • 積立NISAシャープレシオ比較
  • まとめ

 

【投資のリスクとは】

まず投資をやる上でのリスクを考えてみます。

投資でのリスクについての概念はどの様なものになるでしょうか。おそらく投資をするかしないかの判断基準は、その投資資金の変動率ではないでしょうか?いくら得られるリターンが高くても、自分が投資をしたお金が簡単に10%になってしまうものに投資はしない人がほとんどでしょう。

反対に見込まれる下落率が10%以内、リターンが20%程度ある投資先があればほとんどの人が投資を行うのではないでしょうか?つまり、投資した元本が減るリスクに対して、増える期待値が優っているということが投資をするに当たって重要な考え方になります。

 この様な投資資金の変動幅の比率を変動率と言います。

この変動率や振れ幅が大きければ大きいほどリスクが高い商品である代わりに高いリターンを得られる可能性のある商品という事になります。

反対にこの変動率が小さければ小さいほどリスクが少ない代わりにリターンも低い安定した商品という事になります。

【標準偏差とは】

シャープレシオを理解する為に知っておくべき概念に標準偏差という考え方があります。

標準偏差とはデータの特徴を要約する基本統計量の一つで、偏差とは平均値からの差の事を言います。

つまり、「データが平均値に対してどれくらいばらついているか」を表します。

標準偏差を知る事で把握できる情報は下記の様になります。

標準偏差が大きい=平均値から離れているデータが多い=データのばらつき具合が大きく不安定

◆標準偏差が小さい=平均値から近いデータが多い=データのばらつき具合が小さい安定している

標準偏差を知る事で、「各データがデータ全体の中でどの位置にいるか?」ということを理解できます。投資の銘柄で言えば、安定して上昇しているのか、はたまた不安定な動きが多くリスクの高い銘柄なのかを把握できます。また、標準偏差を出す事ができれば、現在の株価がその銘柄の株価の標準偏差に対してどこに位置しているのかが分かります。標準偏差から乖離している銘柄を見つける事ができれば、チャンスになり得ます。

この考え方は、投資だけでなくもちろんビジネスにも多く使える知識です。

より詳しく具体的に見てみます。

例えば、A社とB社の株価100円の時に購入して、1年後にA社とB社の株価が共に110円に値上がったとします。

 今回の例の場合たまたま1年後にA社とB社の株価(100円)が110円になってはいますが、1年後の110円に行き着くまでの価格推移仕方は必ず変わってきます。

 もう少し具体的に考えていきます。A株とB株が下記の様な株価の推移であったとします。

①A社の株価推移:100円→50円→90円→40円→110円(1年後)

②B社の株価推移:100円→104円→107円→104円→110円(1年後)

 この場合、あなたはA社とB社のどちらの株を所有したいでしょうか?

おそらくB社の株が欲しい人殆どではないでしょうか?その理由は変動が少なく、安定して伸びる銘柄であるからだと思います。これこそが標準偏差が低い安定した銘柄であるという事なのです。

 A社の株の場合一時的ではあるとはいえ、一時資産(投資した資金)が半分になってしまっています。その際の投資家の不安は計り知れません。恐怖に負けて損切りをしてしまう人も沢山出てきます。できればストレスなく、B株の様に購入スタート時から右肩上がりの株を取得したい投資家が殆どなのです。

標準偏差を味方につける事で、自分が投資する先がどのくらいのリスクがある投資先かを把握する事ができます。

【シャープレシオとは】

 先ほどまでで書いた様に、リスクとは何か、標準偏差とは何かについて理解できたと思います。これから学ぶシャープレシオはこの二つの概念が必要となります。

それでは本日の本題です。

 シャープレシオとは投資信託を選ぶ時によく用いられたり、個別銘柄をどの様なポートフォリオで保有するかを考える際の指標の一つで、

 投資のリスク(価格変動)の大きさに比べてどれだけリターン(収益率)を得られるか、運用効率の高さを示します

 数値が大きいほど運用効率が良いとされ、一般的に1を超え、その数値が大きければ大きいほど小さなリスクで大きな投資リターンを上げる可能性が高いということを意味します。

このシャープレシオの数値の大きさから、投信や株のポートフォリオ(資産構成割合)が取るリスクに見合うリターンを上げているかをチェックして、相対的に評価していきます。

 計算方法は投資のリターンから国債利回りなどリスクのない資産のリターンを引いたうえで、リスクで割ります。近年の日本の場合は超低金利が続いているため、単純に投資のリターンをリスクで割って求めることができます。

【シャープレシオの求め方(計算式)と具体例】

 それではどの様なシャープレシオが良いのでしょうか。具体例を用いながら説明していきます。

 まず、シャープレシオは下記の様な計算式で求められます。

シャープレシオ=(平均利回りー無リスク資産利回り)÷標準偏差

それぞれを紐解いていきます。

・平均利回り:

 平均利回りとは、「最終的に得られた利益の総計」の元本に対する割合を、1年あたりの平均値に直したものです。 

 例えば日経平均平均の場合の平均利回りはアベノミクス以降約4%/年でしたので約8年で平均利回りは4%となります。アメリカのダウ平均の利回りの場合は9.4%です。

この利回りに関しては、投資信託の場合年間平均リターンという形で表記してあるので、その数字を使って計算ができます。

・無リスク資産利回り:

 無リスク金利は、「リスクフリーレート」とも呼ばれ、理論的にリスクがゼロか、極小の無リスク資産(リスクフリー商品)から得ることのできる利回りをいいます。一般的には、元利金の支払いが保証された預貯金やインターバンクの短期金融商品、国債などの金融商品の利回りのことをいい、通常、マーケットでは「インターバンクレート(コールレート等)」や「国債」の利回りなどを指すことが多いです。

 この計算式に乗っ取り計算する事で、シャープレシオ(運用効率)を求める事ができます。

 例えば、

投資信託A:標準偏差(リスク)が10%で、リターンが10%

投資信託B:標準偏差(リスク)が30%で、リターンが15%

の場合、どちらを選ぶ方が運用効率が高いでしょうか。

 一見、リターンの高い投資Bの方が優位に見えますが、同時にリスクも高くなっています。先の計算方法で2つの投信のシャープレシオを比較すると、

投信A:10÷10=1に対し、

投信B:15÷30=0.5 になります。

 この数値から、投信Aの方がシャープレシオが高い、即ち運用効率が高く優れている事が分かります。

シャープ・レシオの使い方と注意点

シャープ・レシオは、次のように投資で活かすことができます。また、注意点にも気を付けましょう。

同じアセットクラスの比較に使う

シャープ・レシオは、基本的には「日本株」同士など、同じアセットクラス(カテゴリ)の商品比較に役立つものです。

例えば、リスクの高い「日本株や」とリスクの低い「日本債券」を比較した場合、日本株のシャープ・レシオが高くても、そもそもリスクを冒したくない投資家にとっては日本株への投資は選択肢にないでしょう。

違う通貨建ての商品比較に使ってはいけない

シャープ・レシオは、同じ通貨建ての商品比較に使います。シャープ・レシオの計算で使われる「無リスク利子率」は、日本なら約0%ですが、アメリカでは約2.4%(米国国債3ヵ月金利)と、通貨ごとに異なります。また、通貨が異なる場合は為替変動による影響も評価しなければなりません。ですから、通貨が異なる商品でシャープ・レシオを比較する場合は、リターンを同じ通貨に換算して計算する必要があります。

同じ期間の比較に使う

シャープ・レシオを比較する場合、必ず同じ期間のデータを使います。シャープ・レシオは、一定の期間に紐付くため、異なる期間を比較してもあまり意味がありません。

例えば、ファンドAは2008年のリーマンショックを含む期間のリターンであった場合、比較するファンドBは2008年のリーマンショックを必ず含んだリターンでないと比較ができません。大きな経済危機や金融危機が起こった際には得られる運用リターンが大きく変わる為、比較ができないからです。

自分に合った投資商品かどうかは判断できない

シャープ・レシオは、投資商品選びの判断基準のひとつです。しかし、自分に合った商品アセットかは、この指標だけではわかりません。

例えば、日本国債や米国国債のシャープ・レシオが高かった時期がありましたが、それはリターンが良かったからではなく、リスクがあまりに小さかったからです。この場合、リスクをとって高いリターンを狙いたい投資家向きの投資商品とはいえません。

シャープ・レシオは、自分のとれるリスクと希望するリターンを元に、それに合わせ考えていくことが重要となります。

【積立NISA銘柄シャープレシオ比較】

シャープレシオは証券会社によってはスクリーニング機能で比較が可能です。

下の画像は楽天証券の積立NISA銘柄のシャープレシオと標準偏差です。2021年は大きく株価が伸びた年です。また3年前はコロナウイルスによるコロナショックが含まれている期間です。

この期間で銘柄を絞ってみると下画像の様になります。

シャープレシオが高い銘柄を2銘柄抽出してみます。シャープレシオが高いという事は比較的変動率が少なく、リターンを目指す事ができる銘柄です。

①eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

・シャープレシオ:2.41(1年)・0.69(3年)

・標準偏差:12.93(1年)・23.29(3年)

◆eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

・シャープレシオ:2.3(1年)・0.63(3年)

・標準偏差:13.05(1年)・23.07(3年)

過去のデータから分析するとこの辺りの銘柄が他の銘柄に比べて安定したリターンを期待できる銘柄という事になります。積立NISAについては過去の記事をご覧ください。

【まとめ】

上記がシャープレシオの基本的な考え方です。おそらく投資初心者の方は、何を基準に銘柄選定をしたらいいか分からない方も少なくない事でしょう。その様な方は是非このシャープレシオを一つの目安にしても良いかもしれません。

 老後の資金をETFや、投資信託で長期投資で運用するにあたって選択する際にシャープレシオの高い商品を選択する事をお勧めします。積立NISAなどの投資先の決定にも有効です。

一方で、一概に全ての投資家がこのシャープレシオを重視して投資をすれば良いわけではありません。このシャープレシオの考え方はあくまで、長期投資をした際にリスクが少なく安定的に収益を伸ばす為の一つの指標です。

裏を返せば短期でリスクを取って爆発的に資産を増やしたい個人投資家には全く使えない考え方です。

 投資には様々な知識があります。自分のビジョンや投資戦略に対して適切に自分の必要な知識をカスタマイズして実践する事で勝ち残っていきましょう。

 皆さんもぜひこのシャープレシオを用いて長期投資を行ってみて下さい。

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ではまた次回!

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