大不況や好景気、バブルは人の手によって作られているのを知っていますか?
大不況や恐慌によって人生を狂わせられてしまった人も世界には大勢いると思います。人を不幸に陥れる大不況などの景気は人の手によって作られているとしたらどう思われますか。
本日の記事は前回の記事の続きです。ぜひ本記事を読む前に前回の記事を読んでください。誰も教えてくれない経済とお金の本質です。
義務教育やメディアでは絶対に教えてくれない内容です。
この経済の本質は全日本人が知っておいて欲しい事実であり、この経済と金融の根幹である仕組みを知る事であなたの日々の経済活動、特に商品の購入への意識を変えて欲しいと考えております。
この考え方をシンプルに腹に落とし込む事で、あなたの経済活動や投資活動に大きな変化を持たらし、人生を好転させる事でしょう。
■目次
- これまでの内容【学校やメディアでは絶対に教えてくれないお金と経済の本質Part1】
- 世界のお金と経済に深く関わる債務周期
- クレジットで経済の経済成長の波が生まれる
- 『借金』の持つ力〜借金は必ずしも悪ではない〜
- クレジットが生みだす経済成長
- 経済活動の成長と衰退の本質
- 好景気の作られ方の本質
【世界のお金と経済に深く関わる債務周期】
本内容は前回の記事の続きです。前回の記事で経済を動かす3つの構成要素は
◇第1に生産力の成長
◇第2に債務の短期的な周期
◇第3に債務の長期的な周期 とご紹介をしました。

経済はこの債務(クレジット)によって動かされており、債務周期が経済動きにはとても重要なのです。
債務には2つの大きな周期があります。1つは7年から10年の短期周期で、もう1つは75年から100年の長期周期です。
普通の人がこの債務の波の動きを感じることはとても難しく、周期があることに気づくのは簡単ではありません。大きな債務の動きに気づくことはほとんどの人ができませんし、自分が今生きる時代が、債務のサイクルの中でどの地点にいるのかを正確に当てることは到底できません。
しかし債務の短期的な周期であれば、株価の暴落や経済危機の歴史を学べばおおよその予測がきます。経済危機や株価の大暴落は約7年〜10年程度のスパンで起きており、これらの暴落は企業の債務不履行の連鎖が少なからず起因しています。
生産性の向上は長期的には最重要な要素です。しかし短期的には生産性の向上よりも、クレジット(債務)が経済に影響を及ぼします。
その理由は短期的には生産性はあまり変動しないからです。生産性の向上は徐々に段階を踏んで起こるものであり、短期的に生産性は爆発的には起こり得ません。
したがって実態経済の変動には余り影響しません。
債務を利用した取引が活発化すると、生産額に対して消費額を短期的に大きくできます。しかしその一方で、返済の際には消費額を縮小しなければならなくなるのです。この様にして結果的に長期的には生産性の成長に収束するのです。
これの債務の周期を繰り返しながら技術が進歩していき、経済が成長するのです。

【クレジットで経済の経済成長に波が生まれる】
ここでは一歩下がってこの3つの大きな要素を調べ、その相互作用が経済にどう影響するか考えてみましょう。
経済動向の細かい変動は、経済革命とか雇用環境の変化によって引き起こされると考えられがちですが、実際はこのクレジット(債務)によって左右される事がほとんどです。この変動は、利用できるクレジットの額によって影響されます。
■クレジットが存在しない世界の経済は成長
例えばクレジットが存在しない経済を考えてみます。
この世界では、個人の支出を増加できる唯一の方法は、所得の増加です。すなわち生産性と労働時間を増やすしか方法がありません。しかし人間の労働時間には限りがありますし、生産性をあげようとしても借金ができなければ大きな設備投資は行えません。生産性の向上という点においてもクレジット(借金)は必要不可欠なのです。
つまり、クレジットが無ければ支出が増やせない為、所得が上がりにくくなり、所得が上がらないと言う事は生産性も上がらないのです。
誰かの支出が誰かの所得なので、私たちの所得が増え辛いと当然生産性も上がりにくく、経済成長も起こり辛いのです。
この借金ができないと言う環境下では、経済成長は生産性の成長と必ず同時に起こるしかないのです。
■クレジットのある世界(現実)の経済成長
しかし現実世界は借金を借りる事ができます。
借金が可能であればこの経済成長の波に変動が起こります。借金をして物やサービスを購入した取引直後は所得に対して支出(=生産性)が一時的に上がり、借金の返済のタイミングで生産性が従来の取引量に収束します。
借金をするということは、言い変えれば支出を前倒しすることです。収入以上の買い物をするためには収入以上を支出することになります。これを可能にするには未来の自分から借金をするのです。
当然の事ながら多額の借金をして取引をした場合、返済の為収入より支出を減らす時が来ます。
この様にして、借金は経済の波の上下動を起こします。
基本的にお金を借りて取引を行うことは変動を起こすことになるのです。これは個人にとっても経済全体にとっても同じです。

クレジットが発生すると将来予測可能な、先に述べた様な一連の事態を引き起こすと共に経済成長が現金取引よりも急ピッチで起こる事になるのです。
この様な意味でクレジットはお金の概念とは少し違った能力を持っているのです。
【『借金』の持つ力〜借金は必ずしも悪ではない〜】
『借金』(クレジット)と聞くと悪いイメージを持つ日本人がほとんどですが、現代社会は借金で成り立っていると言えます。
例えば、飲み屋で考えてみます。
飲み屋でビールをお金(現金)で買ったとします。この場合は、取引はその場で精算されます。
しかしクレジットを使ってビールを買うとツケが発生します。『ツケ』は将来返済するという約束です。
この『ツケ』と言う約束によって、あなたと飲み屋は資産と債務をつくることになります。何もないところにクレジット(借金)が発生したのです。この資産と債務は、のちにツケを支払ったときに消滅します。その際に始めて、両方の資産と債務が解消し、取引が精算されるのです。
現実には普通お金と考えているもののほとんどはクレジットなのです。米国のクレジットの総額は約50兆ドルですが、流通しているお金の総額はわずかに約3兆ドルです。クレジットがない経済では支出は生産量をふやさないと増加しないのです。
でも、クレジットがある経済では、支出は借金を増やしさえすれば生産量を増加させなくても簡単に増やせるのです。
したがって、クレジットのある経済では支出をより大きくさせて、所得の増大が生産力を上回ることができます。しかしこれはあくまでも短期的な話であり、長期に渡って起こりません。長期的に見れば、取引の総量はクレジットを使用しても収束するのです。

例えば、
・5000万円の家をクレジットを使って今手に入れて30年後にローンを返済した場合でも、
・5000万円の家を買う為に、30年間必死に貯金して30年後に現金一括で購入した場合でも、
30年後の取引の総量はどちらも5000万円である事は何も変わらないと言う事です。
この様にクレジット(借金)は悪い要素ではないのです。このクレジットが経済に牙を剥く悪い要素となるのは、借金によって消費が過剰となり返済ができなくなった場合です。
借金によって良い投資が行えて所得の増加が生み出され、債務の返済さえしっかりできれば経済成長にとって素晴らしい要素となるのです。
【クレジットが生みだす経済成長】
借金にも経済成長を引きお起こす借金と、そうで無い借金があります。
例えば、借金をしてテレビを購入する場合は、クレジットを返済しても所得の増加は発生しません。これは一般的にはただの消費や浪費と呼ばれます。
しかし農家が借金をしてトラクターを買い、収穫量を増やし売上を増やせば、借金を返済できると同時に生活水準を向上できます。これを投資と呼び、良い投資が行われ成功すれば生産性が上がるのです。
■クレジット(借金)と所得の関係
クレジットの存在する経済でクレジットがどんな形で経済成長を生み出すか見てみます。
例えば、あなたの年収が10万ドルで債務がゼロと仮定します。年収が10万ドルを稼げるという信用力がありますから、例えばクレジットカードを使って1万ドルを借りることができます。すると収入が10万ドルであっても11万ドルの支出が可能になります。
あなたがこのクレジットを含む全ての支出を使った場合、これは他の人の所得になりますから、別の誰かは11万ドルの所得を得る事になります。この人に仮に債務がなく11万ドルの収入があったのなら、その人は信用力から+1万1000ドルを借りる事ができ、収入が11万ドルでも12万1000ドルを使えます。この人の支出は他の人の所得ですから同じ原理で見ると、これがさらに経済の波を押し上げることがわかります。
実際の日本経済では所得を全て支出に回す人はほとんどおらず、一部は貯蓄として蓄えたりしますし、海外の製品やサービスに変わってしまえば、日本人の所得はほとんど変わらないので思う様な経済成長ができていないのが現実です。
日本人は昔から貯蓄に重きを置く国民性ですし、消費増税などの影響で支出が減っている事が、日本の経済成長の障害となっているのです。
ここまでが経済の本質的な成長の原理です。
【経済活動の成長と衰退の本質】
しかしながら、忘れてはいけない事があります。債務が経済の波の高さを押し上げたとしても、その波はいずれ必ず低くなることです。これが債務の短期周期となります。経済活動が増えると経済が拡大し短期債務変動が始まります。すると、支出がさらに増加し価格が上昇し始めます。
これは経済がクレジットによって押し上げられたからです。このクレジットは何もなかったところに発生したのです。
支出と収入が、生産高より速いスピードで増えると何が起こるでしょうか。需要に対し供給が追いつかなくなるのです。
つまり物やサービスの価格が上昇し始めます。物の価格の上昇はインフレを招くのです。
■インフレの抑制
世の中にインフレが起こると出てくるのが中央銀行です。
中央銀行はこのような問題を避けたいのでインフレを抑制しようとし、インフレを感知すると利子を上げるようにします。現在のFRBは正にこのフェーズです。利子が高くなるとお金を借りることができる人の絶対数が減ります。すると、既存の債務のコストもふえます。これはあなたのクレジットカードの支払額が増える事を意味します。
■デフレの発生
中央銀行が金利を上げると、借りる人が減り返済のコストが高騰するので一般市民の支出は減ります。
誰かの支出は他の人の収入ですから、収入全体が縮小する事を意味します。全体の収入が減って支出が減っても企業は利益を上げる為に自社の物やサービスを売らなければ倒産してしまいます。これを回避する為に、企業は物やサービスの価格を下げてまで売ろうとするのです。
これがデフレです。このデフレは負のスパイラルを生み、経済活動はどんどん縮小し、所得も減少し、市場は不景気となるのです。
不景気がひどくなりインフレの問題が無く、デフレ不況になると、中央銀行は利子を引き下げ経済活動を活性化しようとします。利子が引き下げられると債務返済者の債務返済費が縮小しますから、借り出しと支出が再度増加します。これが経済活動を押し上げます。

経済の動きはランダムに動くと思われがちですが、ある一定の流れでクレジットの金利と中央銀行に大きく左右されるのです。
これが経済活動のからくりです。
短期の債務周期で支出に影響するものは、貸し手と借り手がクレジットを容認する頻度です。クレジットが簡単に得られると経済は拡大し好景気に、クレジットの獲得が難しいと収入と支出が減少し不景気となります。
このクレジット(債務)の量を変化させ、債務周期をコントロールできる唯一の機関は中央銀行です。だからこそ中央銀行の動きが世界経済に置いて最重要視されるのです。
この景気の波と株価の波については過去に詳しく記事を書いていますので合わせて読んでみて下さい。きっと様々な事柄が繋がってくるでしょう。
【好景気の作られ方の本質】
景気の気は気分の気という言葉を聞いた事はあるのでは無いでしょうか。この言葉の様に人間の気持ちによって債務が変動する為、経済は動かされているのです。
■好景気には債務を拡大したい借り手
短期債務の周期は大体5年から8年です。そしてこれが何十年にもわたって繰り返されます。そして重要なポイントは好景気時の債務周期の底と頂点は、前の周期と比べて高くなり債務も増え続けます。

なぜでしょうか。
なぜなら人は債務を返済するよりは借用額と支出を増やす傾向があるからです。債務を使って投資をして生産性の向上を達成し、生活水準が上がった人はもっと債務額を増やす事で更なる生活水準の向上を目指す傾向が強いのです。
これが人間の本質的な習性なのです。
この為に短期的な債務で作られる長期的な債務の波を見ると、債務は所得よりもとても速いスピードで増大していくのです。
■好景気にはお金を更に貸したい貸し手
人の債務が増大していても貸し手はクレジットをさらに提供しようとするのです。なぜでしょうか。
銀行や貸し手は客から金利をもらう事で利益を生んでいます。即ち貸し手は借りる人を増やたいですし、貸す額を増やしたいのです。
貸し手である銀行等は、最近所得が上がった人に対して優秀で勤勉な人であり信用力が高い人であると思い込むのです。その様な人に対しては、不真面目で堕落した人よりも債務の上限を引き上げますしなんとか借金を借りてもらう様にあの手この手で説得します。
世界が好景気であった場合、世界では何が起こっているでしょうか?
所得が増え、資産の価値も増えている、株価や土地も高騰しているのです。借り手の投資対象はこの好景気時にはいくらでもあるのです。
■好景気・バブル景気は借金でできている
この様な好景気の際には当然大半の人は収入が上がっており、支出を引き上げられます。好景気によって増えた収入や債務が様々な物に振り分けられ、人気が集まる事で消費ブーム・投資ブームが起こります。
このような好景気にはお金を借りても物品、サービス、資産を買うのはとても良策なのです。ブームがブームを呼び、借金が資産や物にどんどんと投入されていくと、社会全体に充満するとバブル景気となるのです。
借り手は債務が増えても所得がそれと同以上に増えていれば返済の問題は何も起こりませんし、資産は増え続けます。
債務と所得の比率を債務負担率と呼びます。所得が増加している限り債務負担率に問題はありません。所得はもちろんの事、保有している資産価値も高騰するからです。人々は多額の借金をつくって我先にと資産に投資します。これが投資先の価格をさらに押し上げます。
例え債務が膨れ上がっていても、所得と資産価値さえ増え続けていれば人は裕福であると感じるのです。
いかがだったでしょうか。今回の記事は投資で利益を出すに当たってとても重要な本質的な内容です。今回の記事が為になった方はイイねとSNSのフォローを宜しくお願いいたします。
ビジネススキル・FX・トレードスキルの本質をもっと得たい方は、
こちらの起業家トレーダーを目指す方々のコミュニティへ。今だけ無料期間中です。
私が使うお勧めのFX口座はこちら↓
短期トレードにお勧め口座はこちら↓
CFDを初めて取引する方にお勧め口座はこちら↓
個人事業主や主婦の為の個人年金iDecoお勧め口座はこちら↓